コンクリートの品質・施工管理について

「このコンクリートの品質。施工管理について」は、宮澤建設葛yびその社員並びに協力業者の品質、管理基準とする。

品質、施工管理方針 

私たちの仕事は、お客様の大切な資産である土地を守る「擁壁」であることを自覚し、専門家として、高い技術の品質、施工管理を追求する。

当社におけるコンクリート品質、施工管理の定義

100年超の耐久性を有する擁壁を築造するために、関係法令、仕様書に順守し、技術者としてお客様視点に立った、コンクリートの品質、施工管理を行うこと。

品質・施工管理の目的及び目標
100年超の耐久性を有する擁壁を築造することにより、お客様及び公のお役にたてること。
対象となる工事
下記の擁壁工事並びに類似構造物を対象とする(下記の構造物をここでは、総称して擁壁と表現します。)

RC擁壁(鉄筋コンクリート擁壁)

間知ブロック擁壁

コンクリート重力式擁壁

現場打ちボックス車庫

上記の工事並びに類似工事のコンクリート構造物

生コンクリート工場の選択についての厳守事項

1.JIS規格適合の工場限定で可能な限り現場近い生コンクリート工場を使用すること

2.日本工業規格(通称JIS規格)のJIS A5308:レディーミクストコンクリートに適合している骨材を使用している工場限定

 現場検査について(現場納入時)
予めコンクリートの配合設計書を定め現場において生コンクリート打設時(納入時)に、下記項目について試験を実施し、配合設計書の基準値内かを確認すること

尚、当社では、擁壁に使用するコンクリートは、原則下記の基準とする
設計基準強度 27N/mm2
スランプ 15cm
空気量 4.5%
塩化物量 0.30kg/m3以下
水セメント比 60%以下
圧縮強度試験 材齢28日で27N/mm2以上
スランプ試験
JIS A 1101)
水量の多い少ないによりフレッシュコンクリートの軟らかさや流動性が異なります。この軟らかさや流動性の程度を示す一つの試験方法としてスランプ試験があります。

コンクリートが重力によって変形するときの上面の下がり具合(スランプ値)で表されるフレッシュコンクリートのやわらかさの程度を測定します。

空気量試験
JIS A 5308)

生コンには、施工性の向上や硬化コンクリートの耐凍害性を向上させるために、あらかじめ微細な空気を人工的に導入しています。普通コンクリートでは、3%〜6%の範囲で設定。納入されたコンクリートがこの規定内であるか専用の試験器(エアメーター)で測定します。

塩化物量試験
(JASS 5 T-502)

骨材にコンクリート等の品質に悪影響を与える物質が有害量含んではいけない為、その含有量を調べる試験です。

使用するコンクリートの計画調合に用いた単位水量(W)を使用し測定、測定値と単位水量から、コンクリート中の塩素イオン量を計算する。

コンクリート圧縮強度試験
JIS A 1132)

通常,3本1組で,1週目と4週(コンクリートの強度は,通常4週目の強度で表します)の試験分,6本を作成します。

標準養生の後1週(7日)と4週(28日)の圧縮強度試験を3本づつ行います。
試験機によってテストピースを加圧し、3本の平均値が所定強度に達しているかを調べます。
実施回数

1回の打設量が50m3に付き1回実施すること

試験実施部位 RC擁壁・・・・・・・・・・底版部・壁部で最低1回づつ試験を実施する

現場打ち車庫・・・・・・底版部・壁部で最低1回づつ試験を実施する

間知ブロック擁壁・・・・基礎部・壁部で最低1回づつ試験を実施する

重力式擁壁・・・・・・・・壁部で最低1回づつ試験を実施する
  
注意事項

東京都建築材料試験連絡協議会  http://www.toshikyo.com/

現在、東京都では、材料試験を実施する場合、公平中立を確保するために第三者機関での検査を実施する必要がある。上記URL参照

コンクリートの打設について

打ち放し仕上げの美しさを追求すること

・豆板、コールドジョイント、色斑が出ないコンクリート打設を追求すること

・上記を達成するには、水セメント比を少なくし、混和剤を利用する

・打設スランプの目安 冬期間スランプ12+混和剤  夏期間スランプ15+混和剤

参考URL
パック型コンクリート流動化剤

コンクリート養生・型枠解体

下記のコンクリート養生期間を参考に工程を組み立てること

・冬期間 気温5度以上〜15度未満 (11月1日〜3月31日)
 普通コンクリート 壁部 5日  スラブ、梁下 25日 強度85%
 早強コンクリート 壁部 3日  スラブ、梁下 15日 強度85%


・夏期間 気温15度以上(4月1日〜10月30日)
 普通コンクリート 壁部 3日  スラブ、梁下 20日 強度85%
 早強コンクリート 壁部 2日  スラブ、梁下 12日 強度85%

・参考URL S46建告110  建築基準法に基づく告示
       型わく及び支柱の取り外しに関する基準を定める件

鉄筋コンクリート造の耐久年数について

日本建築学会が決めた耐久年数の水準があります。その中から、選んでください。

大規模補修不要予定期間;局部的軽微な補修を超える大規模な補修を必要とすることなく鉄筋腐食やコンクリートの重大な劣化が生じないことが予定できる期間

供用限界期間;継続使用のためには骨組の大規模な補修が必要となる事が予想される期間

その期間を基準に3水準を決めている。
(1)一般(大規模補修不要予定期間としておよそ30年、供用限界期間としておよそ65年)
(2)標準(大規模補修不要予定期間としておよそ65年、供用限界期間としておよそ100年)
(3)長期(大規模補修不要予定期間としておよそ100年)

鉄筋の かぶり厚(鉄筋の表面からこれを覆うコンクリート表面までの最短寸法)を大きくする。

特に、塩害、凍害、酸性土壌等の害を受ける場合はその程度によって、かぶり厚は慎重に検討しなければなりません。上記の害を受けない場合のかぶり厚の推奨値を以下に示します。

耐久年数
65年
スラブ 40mm 柱、梁、壁 50mm 基礎梁 70mm
耐久年数
100年
スラブ 50mm 柱、梁、壁 60mm 基礎梁 70mm
実施設計でコンクリートの耐久年数を指定できます。







コンクリート強度にはいくつかの呼びかたがあって定義が違うのでこれを覚えましょう。
設計基準強度 これは実際の柱や梁の大きさを決める時に用いるコンクリート強度です。
耐久設計強度 中性化の速度とコンクリート強度は比例関係がある事から、耐久性を決めるためのコンクリート強度です。
30年の耐久性のための耐久設計強度は18N/mm2です。65年の耐久性のための耐久設計強度は24N/mm2です。100年の耐久性のための耐久設計強度は30N/mm2です。
品質基準強度 これは実際のコンクリートの配合、品質を決めるためのコンクリート強度です
設計基準強度と耐久設計強度の強度のうち大きい値+3N/mm2とする。